あなたの会社の就業規則には、「副業禁止」が定められていますか?
最近は、むしろ副業や兼業を推奨する企業についてのニュースを目にする機会が増えているかもしれません。
それでもやはり、まだ副業についてあまりいい顔をしない企業の方が多いと思います。
公務員については、厳しく禁止されています。
副業を持つにしても何となく後ろめたい感じのする人もいるでしょう。
「会社にばれないように」している人もいますよね。
ついうっかり会社の人に副業中のところを見られてしまったり、税金の関係で会社に知られてしまうこともあるようです。
日本国憲法では職業選択の自由を有することが定められているはず。
サラリーマンが個人事業主になることについて、考えてみましょう。
サラリーマンをしながら個人事業主になることは可能?
サラリーマンの身でありながら個人事業主になることは、もちろん可能です。
個人事業主になるためのハードルは意外と低いのです。
「会社(法人)を設立する」のと混同されている方も多いかもしれませんが、会社の設立よりもかなり簡単です。
実は、税務署に開業届出書を提出するだけで、個人事業主になれちゃうのです。
国税庁ホームページから、実際の書式と書き方がPDFでダウンロードできます。
開業届出書の提出には、手数料も必要ありません。
また最近では、web上で手続をサポートしてくれるようなサイトもあり、無料で利用できるところもあります。
もちろん、その事業の運営に必要な資本金(個人事業の場合は元入金)や開業費などは必要になるにしても、とくに一定以上の金額が用意できなければ開業が許可されないというものでもありません。
事業の内容についても規定はありません。
開業届出書に個人事業主の「名前」である「屋号」を書く欄がありますが、お店の名前のような事業の際に使っている名前がないのであれば、必ずしもつける必要もないのです。
ペンネームなどを使って仕事をしている場合は、そのペンネームを屋号にすることも可能です。
以上のように手続きは簡単なので、サラリーマンをしながら個人事業主になることは十分可能です。
サラリーマンが個人事業主になるメリットとデメリット
では、サラリーマンが個人事業主になる場合のメリットとデメリットについて、考えてみましょう。
サラリーマンが個人事業主になるメリット
①収入が多角化し、増加することが望める
雇用が不安定な場合はとくに、複数個所の収入源があったほうが安心につながりますし、収入源が多い方が収入も増えるでしょう。
②新しい知識やスキル、人脈などが形成できる
通常の業務と違う業務を行うことにより、新しい知識やスキル、人脈などが形成できるメリットがあります。
③会社の社会保険制度を利用できる
サラリーマンが個人事業主になるデメリット
①解雇されるリスクがある
副業禁止の会社の場合、就業規則に違反したということで、最悪解雇もありうるということです。
副業によって会社の業務に差し障りがあったとみなされたり、機密事項が漏洩するなど会社に著しく不利益を与えたと判断された場合は、解雇されることは覚悟したほうがよいでしょう。
会社での業務に差し障りがない場合は、そもそも「副業禁止という就業規定」が「営業の自由」に抵触するとして裁判で争うことも不可能ではないかもしれませんが、裁判沙汰にしてしまうことの大変さは覚悟しなくてはなりません。
②会社での待遇に影響するリスクがある
副業を持っていることが知られてしまうと、昇進や昇給に悪い影響が生じるような風潮はないとは言えません。
2018年度の実態調査では、85.3%の企業が副業を認めていないという結果がでています。
現状では「副業を持っている社員」に対して、あまりよい印象を抱かない企業が多いと考えていいでしょう。
③体への負担が増える
副業を行うことにより、より長い時間働くことになるため、健康状態へ影響することも考えられます。
今後はもっと「副業」が推奨される?
いかがでしたか?
厚生労働省では、「働き方改革」の一環として、「副業・兼業の普及促進」を図る方針を打ち出しています。
働く方も企業の方にもメリット・デメリットのある話なので、政府の方針を受けたからといって、すぐに副業推奨に転換するとは思えませんが、チャレンジしたい人にとっては追い風となるでしょう。
将来はそれが普通になるかもしれません。