独立行政法人日本学生支援機構が行った平成28年度学生生活調査によると、大学生のほぼ半分が奨学金を得ているようです。
大学で学びたい。でも家計が厳しくて、費用が捻出できない。
そんなときに大きな助けとなる奨学金ではありますが、返済の必要がない給付型の奨学金を受給できる人は限られており、大学卒業後に返済していかなければならない貸与型の奨学金を利用している人がほとんどです。
その金額は、奨学金の種類や貸与された期間によってもまちまちですが、大学4年間で200~300万円程度になることが多いようです。
返還もどのくらいのペースで返していくかによってまちまちではありますが、10~20年ほどかけることになるようです。
決して遊びに使ったわけではないけれど、「返済していかなくてはならないお金」があるということで、「借金」と同じように思われている奨学金。
「奨学金といえど、借金があるうちは結婚できない。」
そう悩む若者が増えているようです。
奨学金返済中の結婚は反対!?結婚反対派の意見を紹介
結婚前の借金は清算して結婚するべきである、と考える人は少なからずいます。
また、本人同士は納得していたとしても、やはり親御さんの抵抗感は根強いようです。
とくに、自分の子どもには「借金」を負わせたくなくて、何とか学費を捻出したのに、自分の子どもが「奨学金という名の借金」を負っている相手と結婚しようとしている場合です。
このような場合は、結婚を素直に喜べない親御さんも多いようです。
相手方の結婚前の「借金」を自分の子どもが負担することになるのは、納得いかない。
「結婚しても仕事を続けて、自分の奨学金は自分で返します」と言っていたとしても、その分家計に入るお金が減ってしまうことになるので、生活が苦しくなるに違いない。
自分の子どもの学費も用意できない家庭と親戚関係になるのは嫌だ。
などなどの理由で、難色を示す親御さんもいるようです。
また、繰り上げ返済も可能ではあるのですが、それもできないような経済状態であるなら、結婚するべきではないと考える人もいるようです。
奨学金の返済が終わる前に結婚したら起こるかもしれない問題
奨学金の受給期間が終わったら、ある時期から毎月決まった金額の返済があるわけですから、もちろん家計に影響するでしょう。
「自分の奨学金は自分の収入の中から返済する」という取り決めであっても、結局は世帯収入が目減りすることになるのですから、もちろんその分収入が下がったのと同じことになります。
とくに奨学金を返済しなければならない女性の場合、妊娠・出産などの関係で、仕事が続けられなくなったり、収入が減ってしまうことが考えられます。
そうなると、結婚相手に負担をお願いすることになるかもしれません。
男性側でも病気やけがなどで、就労困難となれば、同様の問題が生じます。
もちろん、減額返還や返還期限猶予などの救済制度はありますが、なかなか免除とはならないようです。
家計に影響するということは、子供を持つかどうかということにも影響するかもしれません。
お互いの理解と冷静なマネープランに基づいて結婚を考えましょう
その奨学金があってこそ、今の自分や相手があるということを忘れてはいけません。
「借金」という側面ももちろんありますが、「投資」という側面もあるのです。
奨学金を受けてより高い教育を受けたことで、より多くの収入が得られているのかもしれません。
もちろん、結婚前に奨学金を繰り上げ返済することも可能です。
「借金」をスッキリさせてから結婚したい。
その気持ちもわかります。
でも、よく言われるように結婚はゴールではなくて、スタートです。
借金がない代わりに、貯蓄もなくなってしまうようでは、結婚後の生活や出産や育児の目途が立たなくなってしまう可能性もあります。
長期的なマネープランに基づいて、結婚について考えてみましょう。