「TPP」
ニュースや社会科の授業でよく耳にしますよね。
よく耳にするけど、いったい何のことだか知っていますか?
何となく知っているような気になっているけど、あなたはきちんと他の人に向かって説明できるでしょうか?
あなたの家計にも影響があることなので、ぜひここで確認しておきましょう。
TPPの概要
まず、正式な名前は「環太平洋経済連携協定」と言います。
TPP「環太平洋経済連携協定」とは?
太平洋の周りの国々で経済的なやり取り(いわゆる、ビジネスですね)や連携をとって、みんなで作ったルールのもとに運営していこう、という協定のことです。
具体的には、協定を結んでいる国同士では輸入を行うときなどの税金をなくし、自由にモノやサービス、投資などを行えるようにルールをつくって、協定を結んだチームのようなものです。
現在は、日本を含むアジア・オセアニア・北米南米圏より11か国が加入しています。
ただし、一度は加入したアメリカについては、2017年にトランプ大統領によって離脱宣言がされています。
ということはアメリカにとっては、このTPPはデメリットだったということなのでしょうか?
TPPが私たちの生活に与える影響は?
簡単にいうと、外国産の指定された商品などが今までよりも安価に購入できるようになります。
日々の買い物については何だかお得な気がしますね。
国産のものと外国産のもの、質が同等の商品であっても、今までは輸入時に関税が生じるため、どうしてもその分の金額を上乗せして商品を店頭に並べなくてはいけませんでした。
そこで、その関税がなくなるということは、単純に今まで支払っていた金額よりも安価になるということになります。
もちろん様々な商品が一気に適用される訳ではありません。
徐々に関税がなくなるよう商品ごとに細かく取り決めが行われています。
商品によっては即時適用される物もあれば、10年以上かかって適用されるものもあります。
何だか一般家庭においては、いいことであるような気がしてきましたね。
TPP加入で考えらるメリットとデメリットは?
外国から入ってくる輸入品は、海を渡って日本に入るときに関税がかかります。
そのため、さきほどお話ししたとおり、店頭で売られる金額には関税分の金額が上乗せされていることになります。
この関税がなくなれば、もちろん消費者であるあなたにとっても嬉しいことです。
今まで支払っていた金額よりも安価に手に入れることができるのですから。
また、さまざまなビジネスにおいても、協定を結んでいる先で、日本企業が進出しやすくなり、海外でも日本人が雇用されやすくなるというメリットがあります。
TPPは国内の生産者を苦しめる!?
このように見てみると、TPPは一見、よいことばかりのように思えますが、デメリットの方が注目すべき点ですよね。
実は、先ほどの輸入品にかかる関税がなくなるという点においてもデメリットが隠されています。
関税がかからず外国産の商品が安くなる…そうなるとみんな安価なものを買おうとしますよね。
ということは、そうです!
国産よりも外国産ばかりが売れるようになってしまい、日本の生産者が打撃を受けるわけです。
もちろんそれでも実際にはあなたの生活に大きくは関係ないように思うかもしれません。
でも、国産のものが売れなくなるということは、国産の商品についても価格を下げないと売れなくなってしまいます。
そうなると、日本の生産者が経営困難になってしまい、さらに外国産のものに頼らなければならなくなります。
それにより、日本の自給率は右肩下がりとなり、貿易に問題が生じたときや何か国同士の争いごとが起きたときに、日本は一気に混乱状態に陥ってしまうことでしょう。
つまりは、日本の国としての競争力にマイナスの影響を与える可能性があるということですね。
TPPの先に見える未来
いかがでしたか?
アメリカのTPP離脱には、このような貿易の競争力低下に対する懸念が大きな要因だと言われています。
専門家の話では、アメリカ国内の雇用を確保し、国内産業を改善させることが急務だということです。
そう考えると、日本のことも何だか不安になってきますよね。
TPPにはメリットたくさんあるように思えますが、それよりもデメリットについてより注目し、慎重になるべきかもしれませんね。